個々の世界遺産を勉強するのに疲れてきたので…せかけん基礎に立ち戻る…。
過去問を解くと、ここが一番点が取れるので、やっぱり嬉しいです。
とりあえず以下を覚えたら、何とかなると思ってる。
まとめながら、まだまだ覚えていないことも多いなと実感します。
覚えたところだけが出てくれたらなぁ。
★世界遺産
顕著な普遍的価値をもつ自然や文化財を、
世界遺産条約に基づき、
世界遺産リストに記載して、
国際的に守っていくもの。
★世界遺産(2022年11月現在:計1154)の種類
・文化遺産(897件。全体の8割弱)
・自然遺産(218件)
※1位:イタリア、2位:中国、3位:ドイツ、4位:スペイン・フランス (ヨーロッパに集中)
★1978 最初の世界遺産(12件)
・ゴレ島(セネガル)
★世界遺産条約(世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約)
・1972 第17回ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)総会で満場一致で採択
・加盟国・地域 194(2022年11月時点)
1973 条約締結はアメリカが最初(日本は125番目)
※締結国のうち、27か国には登録物件がない。
・「文化」と「自然」をひとつの条約の中で保護
※強制する罰則規定はなし。
・危機遺産…適切な保護がされず世界遺産の価値を損なう危険性のあるもの。
・世界遺産基金…ユネスコの信託基金(世界遺産条約に設立が明記)
世界遺産委員会が決定する目的にのみ使用
<予算構成>
・政府機関、団体様、個人からの寄付金 など
★世界遺産条約誕生のきっかけ
・1960 アスワン・ハイ・ダムの建設(エジプト)
ナセル大統領 ナイルの氾濫防止、安定した電力供給のため
→ヌビア地方「アブ・シンベル神殿」「フィラエのイシス神殿」などがダム湖に水没の危険
↓
ユネスコ 遺跡群救済キャンペーン
→約50カ国が賛同、協力
フランス文化大臣アンドレ・マルロー
「世界文明の第1ページを刻む芸術は、分割できない我々の遺産である」
↑ 世界遺産の理念へ
★世界遺産の申請と登録
<申請の条件>
1.遺産を持つ国が世界遺産条約の締結国であること
※ユネスコの加盟国である必要はない。
イギリス…ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター・アビーとセント・マーガレット教会
2.あらかじめ各国の暫定リストに記載されていること
・1年に1件までユネスコの世界遺産センターへ推薦書を提出可能
3.遺産を保有する国自身から申請があること
<例外>
「エルサレムの旧市街とその城壁群」
→ヨルダンが代理申請。
4.遺産が不動産であること
壁画や巨大な像〇
5.遺産を保有する国の法律などで保護されていること
→正倉院を国宝に指定
→世界遺産★
<登録>
◆日本の手順
1.暫定リストから候補を選定
2.世界遺産条約関係省庁連絡会議で推薦遺産の選出
3.内閣の閣議了解→推薦書の提出の決定
4.推薦書を世界遺産センターへ
1.専門調査
・文化遺産:ICOMOS(国際記念物遺跡会議)
・自然遺産:IUCN(国際自然保護連合)
2.世界遺産会議(1年に1回)
世界遺産リストへの記載の可否の審議。決定。
※推薦書の提出から登録まで約1年半
●緊急な保護が必要な場合
緊急的登録推薦:正規の手順を経ずに登録
・「バムとその文化的景観」(イラン)…地震による被害のため。
●世界遺産リストからの削除
★世界遺産会議
・21か国で構成
・世界遺産条約締結国会議…2年に1度。7か国を改選
・任期:6年
※できるだけ多くの国が委員を経験するため…以下の慣例
・4年で交代
・次の立候補までに6年あける
<審議内容>
・推薦された遺産の審議
・危機遺産リストへの記載や解除
・保護状況の報告
★世界遺産の概念
●価値の証明
1.10項目の登録基準のどれに当たるか。
2.保全計画が立てられているか(遺産の周辺に緩衝地帯(バッファー・ゾーン))
バッファー・ゾーン…遺産そのものの周囲に設定される区域。
遺産の顕著な普遍的価値を損なう恐れのある経済活動や開発などの制限。
3.真正性:継承(建造物や景観などが、その文化がもつ独自性や伝統、技術を継承していること。修復の際は、厳密に伝統的な技術や部材が用いられていること)
4.完全性:保護の条件(十分な広さや保護のための法律、予算、保全計画など、遺産の顕著な普遍的価値を証明し保護・保全するための必要条件がすべて整っていること)
★文化的景観(文化遺産に分類)
人類が自然とともに作り上げた景観
自然の要素が人間の文化と強く結びついた景観
*2004 紀伊山地の霊場と参詣道(日本初)
★シリアル・ノミネーション・サイト
文化や歴史的背景、自然環境などが共通する複数の遺産を、全体として「一つの遺産」として登録。
★トランスバウンダリー・サイト
国境をまたいでいる自然遺産や、同じような特徴を持つ複数の遺産が国境を越えて存在する時に、多国間の協力の下で登録し保護・保全する。
1945 ユネスコ憲章(国際連合教育科学文化機関憲章)採択
~戦争は人の心の中に生まれるものだから、人の心の中二こそ、平和のとりでを築かなければならない~
1946 ↑に基づきユネスコ設立
★世界遺産と日本
1972 (世界遺産条約採択)
ユネスコ総会議長国
*第8代ユネスコ事務局長:松浦晃一郎
・無形文化遺産保護条約の採択に尽力
・「アンコールの遺跡群」「ボロブドゥールの仏教寺院群」などの修復支援活動
1992 ・正解遺産条約締結(125番目。オランダと並んで最も遅い)
1993 「法隆寺地域の仏教建造物群」「姫路城」「屋久島」「白神山地」世界遺産登録
2022 25件が世界遺産リストに記載(11位)
★世界遺産と観光
<メリット>
異文化を理解し、尊重することの大切さを知る機会
観光収入を保護・保全費用に
<デメリット>
環境破壊
遺産の破壊
地元住民の日常生活への影響
観光客の移動などを原因とする生態系の変化
→観光客の増加が危機遺産リスト入りの原因となっている遺産も!
2003 無形文化遺産保護条約
日本:「能楽」「歌舞伎」「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」を含む22件登録
世界:492件(「ヨガ」インド、「レゲエ音楽」ジャマイカ、「メヴレヴィ教団のセマー儀式」トルコ など)
★世界の記憶(1992)
ユネスコが、書物や文書、絵画などの記憶を保護。
日本:7件
★世界遺産の登録基準(超簡略)
<文化遺産>
ⅰ 創造的
ⅱ 文化交流
ⅲ 存在の証拠
ⅳ 代表的段階の見本
ⅴ 文化を代表する集落・土地等の見本(負の遺産:取り返しのつかない変化の影響により危機にさらされた人類と環境の交流を示す見本、も含む)
ⅵ 関連性(ほかの基準とあわせて用いられることが望ましい)
<自然遺産>
ⅶ 美的自然現象・地域
ⅷ 地球の歴史の主要段階の見本
ⅸ 現在進行中の生態学的・生物学的過程の見本
ⅹ 絶滅危機のある保全に重要な自然生息域